Aider：ターミナルで動作するAIペアプログラミングツール

1. はじめに ✨

近年、AI技術の発展により、開発現場でのAIツールの活用が一般的になってきています。その中でも注目を集めているのが、ターミナル上でAIとペアプログラミングができる「Aider」です。

このツールの革新的な点は、gitをcloneしてくると、ソースコードを読ませて「これにこういう機能を追加しろ」と言うと勝手に追加してgit commitしてしまうことです。良いタイミングで/git push origin mainとやれば、pushまでやってくれます。

本記事は、ターミナルでAIとペアプログラミングができる「AIder」を試す のスクラップを元にまとめています。

2. Aiderの特徴 🔍

Aiderの最大の特徴は、ユーザー（開発者）が完全に受け身になれることです。

これまでのAI支援開発ツールは、あくまでも「支援」にとどまっていました。作りたいものをどう作るかイメージするのはプログラマで、AIはそれをサポートする役でした。

しかしAiderによる開発は、支援ではありません。むしろ開発請負ツールと言えます。

主な特徴：

• GitリポジトリのコードをAIが直接編集可能
• 変更を自動的にGitコミット
• GPT-4oとClaude 3.5 Sonnetで最適に動作
• 多言語対応（Python、JavaScript、TypeScript、PHP、HTMLなど）
• チャットベースのインターフェース

3. 基本機能 🚀

コマンド一覧

• /help - ヘルプの表示
• /add - ファイルをチャットに追加して、そのファイルを編集出来るようにする
• /ask - コードベースについて質問（編集しない）
• /chat-mode - チャットモードの切り替え
• /clear - チャット履歴の消去
• /commit - チャット外での編集をコミット
• /diff - 最後のコミットのdiff表示
• /drop - ファイルをチャットから削除
• /exit - アプリケーションの終了
• /git - gitコマンドの実行
• /aider - aiderに関する質問をする
• /lint - コードのlintと修正
• /ls - ファイル一覧の表示
• /model - LLMの切り替え
• /models - 利用可能なモデルの検索
• /quit - アプリケーションの終了
• /run - シェルコマンドを実行し、オプションで出力をチャットに追加する (エイリアス: !)
• /test - テストの実行
• /tokens - トークン使用量の表示
• /undo - 最後のコミットの取り消し
• /voice - 音声入力の利用
• /web - Webページの内容をseleniumを使って取得

4. インストールと設定 📥

1. Pythonパッケージとしてインストール：

pip install aider-chat

2. OpenAI APIキーの設定：

export OPENAI_API_KEY=XXXXXXXXX

3. 基本的な起動：

aider

4. GUIモードでの起動：

aider --gui

5. 実践的な使用例 💻

基本的な使い方

1. ファイルの追加：

/add filename.py

2. ファイル一覧の確認：

/ls

3. コードの修正依頼：

このファイルについて説明して
説明を日本語に書き換えて

6. メリットとデメリット 📊

メリット

• 開発者が受け身で開発を進められる
• Gitとの緊密な統合
• 複数ファイルの同時編集が可能
• CLIとGUIの両対応
• テストとデバッグ支援機能

デメリット

• APIコストの発生
• AIに完全依存できない
• ローカルLLMでの動作は不安定
• CUI操作の習熟が必要

7. おすすめの使用シーン 🌟

1. VSCode or Cursorのターミナルと組み合わせた開発
2. devcontainer環境での利用
3. テストコードの自動生成・メンテナンス
4. ドキュメント更新の自動化

8. まとめ 📝

Aiderは、従来の「支援」ツールの枠を超えた、真のAIペアプログラミングツールです。特にGitとの統合や、複数ファイルの同時編集能力は、実践的な開発現場での活用が期待できます。

VSCodeのターミナル内で使用するのが現実的で、devcontainerの設定とセットで用意しておくと効果的です。コードも見たい場合は、この方法が最適でしょう。

詳細なドキュメントは以下で確認できます：

• 公式ドキュメント
• 使用方法
• サンプル集